2016年08月15日

春詠〜夏詠 40

立春から8月の節分まで。
 脳内の俳句にまつわる回路は、日々開閉する訓練をしていないと錆びていってしまう。
というか、日常生活を送るうえでそれを閉じていなければいけないことを強いられているのは
たぶんまずいことなのかも知れない。
 何が自分を錆びさせるか、などをうっすら考えながら、もう秋を迎えている。

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白杖と帽子のあをと春の雪

琴と三味線の店北窓ひらく

草焼いてゐて一昨年に埋めし鳥

風信子花柄を摘み捨てる母

梅二月男子校生の肩幅

鷹化して伝書鳩たれ留守投句

ざらざらと蜆炊く鍋中に闇

母子家庭卒業式と云う区切

蕗の薹刻む男の無職かな

猫の恋今晩は両想ひらし

イースターペコちゃんの首傾ぐまま

花疲れていうか悲しいなら言いな

サイフォンを焼く火の青き凍返る

月曜の雨満天星の花俯く

やや酔った勢いでした筍煮

宵春や手提げ鳩サブレーのロゴ

読経の止みたりふいの青嵐

河鹿鳴く今朝も行方不明者ゐて

水子供養in English たる薄暑

憲法記念日海まで行ってから戻る

夏きざすのっぺりとした鼻の犬

蓋のない便座の前に立つ薄暑

どうせセフレだし冷奴の薬味

掃除機の音眠し十薬の花

守宮鳴や改築さるる療養所

ヒゲ+メガネの羅列麦の秋

踏切の音かん高き墓参かな

朝の弥彦線虫篝の残り

わたくしに貯へられし無味の汗

長尺で撮る洗骨の儀と旱

さみだるるゴミ収集車のメロディー

掃除機の音眠し十薬の花

浅草にある生き方や夾竹桃の花

四万六千日境内の端に猫

ほほづきの市小雨来てまた止みて

風鈴に丁度良い白熱灯の影

川縁に立葵動物医院

人工の滝人工の海に落つ

舐瓜さまビュッフェ最端に集ひぬ

夏果つる填め殺されし窓のうち

posted by たザわよしなお at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月08日

冬詠25

「趣味は俳句」と公言していたら年の瀬、シゴトつながりのあるグループホームの方から入居者の俳句を見せていただいて感想を求められることになりました。そういうことはままよくあるのですがそのたび、ひとが表現したいものとその欲求についてを考えます。
その彼女に関しては、精神病発病ずっと以前、親御さんから作句の手ほどきを受けていらしたとのことで、情景描写の基本に徹したやわらかい言葉選びをして作られた句の数々でした。観察するものとして、自分の眺めたいものを定義するためにことばを選び、発してゆく、というスタンスの句は、自己プロデュース前面に押し出した言葉の羅列句とかよりずっと、僕は好きかもしれません。


初時雨床に散らばってゆく小銭

三輪車捨て置かれをり冬菫

父は父らしきかをせん七五三

鬱屈の検索履歴羽根布団

北窓に吊るアドベントカレンダー

古傷のなき振りせんや百合鷗 

恋人よこの河豚鍋の出汁濃ゆき

隙間風さういふことばの放ちかた

日短と早朝覚醒する意味と

年用意する店車窓に垣間見ゆ

空にある穴という文字山眠る

雪曇り身体よりまろび出るもの

古書店とケーキ屋をへて冬の月

ひげおとめさんこんばんは冬すすき

生きていること問うホットケーキ詠む

くぬぎ炭売る古道具屋の無音

ししむらを映す硝子よ鎌鼬

車椅子の幅の通廊冬の凪

小用の放たるる窓寒夕焼

値切り旨き客に買はるる髭達磨

よく動く猫居た去年初明かり

初場所の行司改名さるニュース

駅伝の解説暫しもたつきぬ

鼻唄や映画館跡地は冬野

ニット帽にも建蔽率と云うルール
posted by たザわよしなお at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月14日

秋詠20 ジャズフェスティバル/ゴリ山田カバ男氏へ




七夕や里山にジャズフェスティバル

蚊の名残町に三軒ある寿司屋

おおぶりの梨果湖の名を冠しをり

淋しきと色欲と白さるすべり

大臀筋下のたわみや秋彼岸

蚯蚓鳴く眼鏡外した父とゐる

レジスタア脇累々と干し鰮

鳴虫やセックスがしたいだけなの?

呼吸せぬ楽器を抱き虫のこゑ

八朔やアンソニィバージェスを読む

何事なく二百十日の虹消えゆ

十六夜の鈍色のCOACHの鞄

団栗の立位体前屈寝椅子

銀杏黄葉見世物の小屋無くなりて

滴下する薬の速度とろろ汁

さふゐふの神楽に似てゐても違ふ

運動会に行きたくない朝のもや

耕畝忌の父が戻らぬ赤の靴

蟷螂の孕み終へしから威嚇

花水木紅葉路上に唄ふ人
posted by たザわよしなお at 06:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月14日

夏詠20

今回は不作だなあと思ってゐたけれど、振り返ってみればあまり自分のぶれてない足指の間のニオイを嗅ぐやふな安心感。つまり、さふいふこと。


パセリ摘む爪が一日分伸びる

雄という空虚寺山修司の忌

短夜に触り心地の良いマクラ

はつなつの書棚のゴルゴ13

薫風やバッハガヴォットの六番

母娘喋り方似る梅実る

えごの花散る散るキラキラぼし唄う

ガムシロと略さるップや夏の湖

まひまひや川原は犬ら去り静か

色恋へ至るか知らず紙魚の銀

花農家次男麦わら似合ひをり

羅や翼もつ生き物群れる

ラジオと云うツール横山剣小暑

山中にウクレレ喫茶月見草

鼓動のみ只さはがしき短水路

吽形の仁王の袂夏果つる

過呼吸の発作紙細工の金魚

炎帝のレコードを裏返すさま

リカちゃんが肌蹴てベビーカーご乗車

秋迩ワールドミュージックのセール
posted by たザわよしなお at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月25日

春詠30  うつくしい譚/ひこばゆる



春眠の軟らかいジグソーパズル

うつくしい譚とりとめ無い二月

猫柳帰るタイミングを逃す

路地に春五十嵐さんのいた肉屋

冴返る夜リオデジャネイロは雨

かざぐるまわざとゆつくり歩きをり

二月新月妊娠でいう安定期

繰かへすだからとしかし沈丁花

何時ものやうに謝肉祭終はり朝

春一番空気漏れゆく宇宙服

雪柳貰い火をする喫煙所

仕掛け絵本オレンジ剥けるページかな

三月の地下鉄に流れない水

コピー機のひかりの色と草の餅

雛あられむさぼる髭の濃い薄い

うららかや此のまま由比ヶ浜へ下る

彼岸会や不在のものに形無し

別れ霜まだこめかみに疼くもの

春昼や書店のレジの列鈍し

風光りをり双子用ベビーカー

不揃いな歩調の犬を曳く朧

幸不幸二択なら幸はるうれい

暮れかぬるなにかを埋めている工事

街路樹のあった記憶やひこばゆる

啄木忌通過電車のあとの鳩

延焼に似たはくれんの樹の開花

靴ひものほどけてゐる子梅若忌

夕櫻帰れなくなる遊園地

フリルとはびらんなるもの豆の花

八百万木々の芽に宿る音楽

posted by たザわよしなお at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

冬詠30 日常に地続き/ブリオッシュ





日常は地続きたりぬしぐれかな

星ひとつひとつに名前桃青忌

八分の六拍子たる里神楽

柿落葉加藤佛壇佛具店

茶の花や昨日から巻き爪疼く

フランスの煙草の匂い今朝の冬

クリスマスなのに何にでもマヨネーズ

約束はしない遣り取り鵯鳴けり

階段にタマゴポーロが散り冬日

親にはヒミツちゃんこ鍋煮詰まりぬ

耳遠くなつてきた猫冬銀河

肉食の獣と暮らしてゐる毛布

口ずさむポインセチアちふリズム

冬満月靖国通りから見やぐ

柊の花や高倉健は逝く

暖房の襖に物理的な距離

片仮名の駅降りてから冬木立

銀杏落葉怪獣ごと哭く子ゐて

冬三日月フィドル弾き真っ直ぐに立つ

冬凪のプロレス雑誌発売日

寒薔薇咲けり少年は精通す

餅米洗うスウィングアウトシスター掛けて

埠頭では今フェリー発つ鮟鱇鍋

御降や古き卒塔婆だけの墓地に

出初式終りぬ眉の上の傷

寒苺ブリオッシュを食べればいいのに

切られたる緋蕪ベテルギウスの鎮座

春星忌ハモニカを持ち歩きをり

冬の蝶点字ブロックを辿りて

明日ひとと逢う予定あり春隣

posted by たザわよしなお at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月26日

秋詠 25  音楽/火曜日/眠る老女

音楽となる寸前の鱗雲

催せどあかくなりそびれたヤンマ

足首を掴まるる夢みて虫のこゑ

古本に残る書込み鳳仙花

朝顔にタイムサービス中の札

秋高し土建屋の男の返事

膝丈は義足でありぬ秋夕焼

秋の水ひとの営む匂い濃し

処暑たるや格闘技ジム多き町

船跡を習ふ鴎の爽かなる

雨過ぎて係船さるる海静か

初潮のゆるく渦まく陸の果て

芒野や友らのふいに黙り込む

龍田姫開けてはならぬ蓋のあり

山端の空にあな開き秋夕焼

茸干すマッカートニー的なヒゲ

後の月いつまでも付いて来る猫

雁渡あまり上手くないコーラス

木犀や誰かが雨を喚ぶ儀式

無花果に青味残りぬ抜歯の日

火曜日の暮れ笑栗がこぢんまり

こほろぎや飼猫の食細くなる

秋聲に蝶の成る樹の在処知る

行秋や左と叫び左かな

眠る老女と晩稲いくつかを過ぎ尾瀬
posted by たザわよしなお at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月05日

「白い杖」

清瀬市にあるハンセン病資料館。
近隣住民や保育施設や精神科病院関係者は馴染みでありつつ、ガイドブックには載らない、古木の並木と菜の花が素晴らしい花見スポットでありつつ、
 館内図書館の詩歌のコーナーのラインナップも実は、感涙ものでもあります。

明石海人氏などはもとより、盲人句会活動の痕跡を辿りつつ、書架に入り浸りましたりたる爛春。

「白い杖」  島洋介氏 俳句・川柳集


・白い杖握って摂理とは何か

・咲き匂うばらを見ている黒眼鏡

・その時のその日に祈り眉を植え

・眉植えてから考える日が続き

・いうなれば蒸発という島の貌

・笑っていなければバランスが崩れそう

  
posted by たザわよしなお at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月01日

春詠 28 クロックムッシュ〜クロックス

クロックムッシュ鍋に焦げ癖夕霞 ザ
電話帳にもやし屋載りぬ春の昼 ザ
鳥雲に仕掛け時計が鳴り始む
ハロッズの熊の手提げや花疲れ
花街の卒塔婆小町や花篝

春暮れる下巻だけしか無い本屋
幼稚園バスにさよなら雪やなぎ 
夏近しオリビアニュートンジョンの皺
犬桜タイラーメンの店混みぬ 
唇にピアスのありぬ佐保の姫

制服の膝裏のしわ夏隣
文鳥が欲しき子のゐて暮遅し
満天星の花と定休日のパン屋
春眠し乗降のなき停車駅

亀鳴くや釣銭足らぬ販売機
春雨やライターの点かぬ一日
外は雨らし蜆汁混ぜる音

凍ゆるむ出口ばかりの改札機
工員は爪白濁る実朝忌
知らぬ間に建つ家今日の梅蕾
芽キャベツの結球ひそそ呟ける

恋人の寝ごと建国記念の日
春暁の金管楽器吹きの身体

梅一枝ポン菓子の孕む緊張
柳萌ゆ此処までは一緒に歩く

青麥繁るダルビッシュ有の髭 
暮遅き歯医者の匂いする子をり
クロックス煮〆たる色夏隣
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2014年02月02日

冬詠 40


01 焼き芋は焦げ静謐という定義

02 新千鳥街ネコの留守神の留守

03 芭蕉の忌取り壊さるる立飲み屋

04 灯油売来る岩崎宏美の「家路」

05 寒風や押しボタン式信号機

06 人は恋ひ街に出る熊は空腹

07 切干の縮むに頼りなき日差し

08 トイレットロールの厚み小六月

09 冬凪や母である妹と会う

10 蹴球の話ボスニアヘルツェゴヴィナと唱ふ

11 七センチヒールはぴんと姫椿

12 里神楽隣客のマスカラのダマ

13 雄鹿座は冬の星座よあれが角

14 ふと聞くや死に至るらし犬の風邪

15 二の酉や洋画字幕の小さけれ

16 やはらかき熊手あるらし歌舞伎町

17 狐火や大人には見へなくなりぬ

18 左手の煙草臭きや漱石忌

19 目くばせをせん対岸の火事のごと

20 ブロッコリー煮えカルト映画の記憶かな

21 かまくらの絵はがき窓の替わりにす

22 蜜柑や猫の口角が上がりぬ

23 冬の月エレヴェータごとりと動く

24 詠みはじむのはなるべくはやさしきことば

25 初空や木蓮の芽の微かなる

26 抹香の香を連れて来し三日かな

27 脈々と達観つづく達磨市

28 スーパーに残る草石蚕てふ桃色

29 左手に破魔矢右手にワイン提げ

30 老猫とゐてひたすらに寝正月

31 女正月マトリョーシカの中に闇

32 惑星の光が残り小正月

33 鮟鱇切らるる梅園へ向ふ路地

34 深海は此に続きて鮟鱇鍋

35 劣情や風呂吹は色薄く炊く

36 凍蝶の一羽や今朝の地震(なゐ)長し

37 北風を孕みて猫の背の匂ひ

38 はぐれ手袋一枚のごときさよなら

39 野球部の子ら声変り日脚伸ぶ

40 必要とされぬものらと春を待つ

posted by たザわよしなお at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月22日

時折の狼/有平棒速し

時折の狼になりたき病

マスクしていて気づかない程の雨

遠き火事大音量のエミネム

漱石忌カフェの店長は不機嫌

男てふ冬至カボチャ煮る生き物

茶の花や曖昧な返事でかへす

冬の日の床屋有平棒速し

土曜日は冬の季語なり独つ柿

歳の市痩せ細りつつあるケバブ

フリスクを砕く臭ひや冬の川

母亡くす喪中葉書の多きとし

儚きは去年今年首据わらぬ仔

posted by たザわよしなお at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月24日

矢印/U2



日永き売残るタコヤキ僅か


辛夷咲くあんなに好きだったU2


春愁の矢印ラブホテルのネオン


プリムラや乱筆の片仮名の多々


浮塵子立つ何もなきわたくしの旨


葬送のありて紫雲英ひろがるばかり


怒気帯びゆ独り言たち春の蘭



 4/20(水)穀雨 竹輪句会へ投句など。

 先月以来、それで何事もなかったかのように日常雑詠をしてしまった感と、それをし得た安心のようなものがあったけれども。こうして拙句だけ並べて見れば、何事もなかったってわけでもないと気づく。日常は地続きだし言葉も失せてしまわないと、信じるしかないとしても。
本来、春のおわりは好きな季語が多いのに、かたちを見出せなかった言葉がまだ多い。それと、句会という環境に支えてもらえる次元への感謝。
posted by たザわよしなお at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月20日

「浴室」etc

ヒヤシンス花感情に連なるる

如月の犬が乗る軽トラも白

北窓を開く暗渠は西へゆく

朧夜にゴミ漁るおんな呟く

眼の色の薄い老女の菜飯炊く

J=P.Toussaintを読む麗らかの意味
posted by たザわよしなお at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

声高に仔犬叫びしプロキオン約三千百字のおとが在り

001:はじまりの歌のはじまるココは春炬燵にコの字からはじまるの

002:ル・クレジオの本読むための旅にある暇持余す感覚の麻痺

003:彼は叫ぶあの公園のあの暗がりの「必要」よ渋谷・路上で

004:こうした存在意義の疑問符の下のマルポチはピリオドなのかな?

005:掌に乗る大きさのフィボナッチ数列は花冷えの夜にも

006:サインガていう怪人に壊されてゆく街の夢を見て、明け方

007:なんだったっけな気になっているのは黒柳徹子の決め台詞

008:樺太の南北海道の、てふには頼りなきトンコリのおと

009:早春の宇宙は黄色をしているブロッコリーも花菜かななな

010:おとこのこのかけらとかそんな硬質なもので出来ていない僕らは

011:ほんとうの青とは本当のサクラは夜明けの空と同じ色です

012:急カーブ先 転倒事故を越え過ぐや穏やかに山桜咲く

013:ははうえさま お元気ですか みそひと文じではおつたえしきれず いっきゅう

014:脇の下から臍までを舐めおりて接弦定理の証明をす

015:野球部のユニフォームを着た子らは野球部の顔をしてガールズポップ

016:あの日民族博物館で途中で止めたyukarの続きいまから

017:現実を切り取る鋏、発することば、最近の出来事、記憶。

018:象徴としての京急の赤色だとかクレイジーケンバンドとか

019:失せし町はバス停の名にだけ残りて降車ボタンを押して我もや

020:この関係がまぐれではないならば続く筈である不確信

021:鼻歌は「夜の銀狐」ですかマジですか、裸エプロンですか。

022:無駄にした日々では無かったと捨てたカレンダーの裏紙に記す

023:十五年前のピアス穴が生きていた耳は魂の「かたち」だ

024:吃逆の止まらないままラジオでは大相撲中継の時間に

025:殺したきひと幾人かいる 呪う メルチョール島は珊瑚環礁

026:もう我慢する事が無いので悲しい丸の内線はふたたび地下へ

027:其はふらんすの言語のごときそわそわ冬茹など戻していても

028:枝を摘まる薔薇は野生に戻りたき陰謀と王室の名を秘め

029:ターミナルケア 原色のクロックス 「利用者さまのご家族さまで?」

030:aイうエオ Perfumeの次はPhil Collinsの降順の世界の秤

031:石ころを拾いつ筒井康隆の遠未来SFは此処にも

032:愛情の方法論よ「肉体」の舐めれば苦い箇所についての

033:夏みかん色の眼球と爪 逃げ出した鰐がいる熱帯夜

034:半世紀前のアルバムこのひとの子孫であって途絶えさすこと

035:「銀の滴降る降る周りに…」彫金をせし美しき太き指より

036:洗濯と炊事当番ふりかざす正義は裏返したるTシャツ

037:路地奥のライブハウス探し、放つべき言葉探し未だ火曜日

038:空笑す老女聴こえぬ声との会話愛の告白は空耳?

039:攪拌を怠っていて鍋底に焦げたタマネギの苦い夕方

040:レーシックの為のインフォームドコンセント レンズ豆煮る為のカタカナ

041:黒鉛じゃないものばかり吐くトーマスは目の笑ってない笑顔で

042:土曜日の二段ベッドの真暗がりにて文化人類学者となりぬ

043:ゴキブリホイホイです。わたくしの胸の薄紙を剥がして下さい。

044:野生てふペット用爪切りに摘まるるは小さき破片と也て 

045:群馬県なら30分で走り抜け、いま「10分間舌絡ませよ。」

046:じゃんけんで負けても終わり。僕はいま「グリコ!」と叫びつ沈み消え行く

047:イモなどを蒸して潰しながら朝の独り言をも練る日曜日

048:来世とは曖昧な電波でラジオからラマダンのはじまるニュース  

049:いつも「ごめん」が口癖のセフレらしいしいしんじ氏の描く「池袋」

050:明朝の雨の予報に就寝す北海道から月虹の知らせ

051:コミュニケーションの7割は非言語であり左足首に番号札

052:中卒の婆さんよとか短大出たお嬢様なのとか過去の少女の過去の朧げ

053:ぱりんぽかんちゃりりり恋に落ちるならそんな音がすカラダの何処かで

054:耳の穴にキスつむじをさわる体臭を探る足指で至極戯れ

055:桜のみ喰らいて生きるアメリカシロヒトリ駆逐されつつのたうつ

056:長雨があがるとプランターのゼラニウム枯死していた冬始まる

057:夕暮の台所臭、パチンコ屋のタバコ臭、帰巣するカラス群れる。

058:コトバ菌てふ脳に棲む粘菌の排泄物であるらし言葉は

059:開放病棟外出日の金曜 中華料理屋「虎楽」の満席

060:所沢駅徒歩五分のラーメン屋に手塚漫画の充実っぷり

061:微細無数に奴凧のかたちして空昇るものあり酔ひた目に

062:やじるし↑のネクタイピンを刺すひと目の前にいて咽喉仏凝視す

063:仏てふ漢字に裸体立像思ふ常ほとけには体毛のあらずや

064:ともだちにふたごがいたのは幼少のころだけだろかれら消えゆく

065:破骨細胞てふマッチョでハンマーを担いだ男を想像す窓

066:反抗期の雛鳥の鳴声この熟女ブスと鳥語を訳す

067:路上弾き語りライブ門谷純のファンです匿名ですがなにか?

068:二年前の今頃新潟は嵐でしたね「喜怒哀楽書房」さんLOVE

069:桜葉も赤くなる冬北風のメルチョール島は鳥の楽園

070:白衣女医プレイみたいなプレイみたいな男の喘ぐ声みたい

071:壮年の雄らしき褪色の道路交通誘導員の人形

072:オレを踏みつけてくれハイウェイコップのブーツ兄貴よ逆でも可だぜ

073:弁護士を彼氏にしたいオレの罪全て庇ってくれるキスが欲し

074:幾音か足りない言葉に歯噛みをすあとがきに託したく親指舐める

075:季節の機微がわからんとか言う気象予報士は首吊りの刑です

076:製菓担当スーパーマンは赤いエプロン52才元ラガーマン

077:一対の音楽アルコールとふたりアルコールとひとりアルコールと一人

078:半解けの指紋がついたシロクマをゆっくり舐めているお前くま。

079:繰り返すこと第36回運動会に知的障害の人達と僕ら

080:自転車を漕いで煮凝りのような粘度の早春の夜がはじまり

081:下町の小さな店を営めばマネージャーとオーナーシェフの冬

082:昼休みでした。兆弾の如ドッジボール当たりましてさようなら。

083:ふたりではないけれどひとりでもなし孤独の定義を二万字で述べよ

084:ほうずき熟す自責など四万六千日あれど足りない其が生きること

085:手話クセのごと個々人に孕まん訛りてふことばの揺らぎとは

086:猫は猫のグラン・パドゥシャで飛び越える水たまりとはその為のもの

087:麗らかや後輩の辞職願いの出た日にもまだ独白の日記が続く

088:新宿区内全ホームレスにマニキュアをす制度の施行

089:口端の泡だしたり消したりす五歳児のあそび未だわかるのよ

090:掌の大きさがひたすらに母喪失の恐怖に啼いてゐる

091:白クマのマークの旅客機にします。オニオンスープがお薦めなので

092:気をつけて!毛布に潜り込んでくる!ヤツは強烈な口臭だから

093:ぜんぶ全部理解してあげる衝動バービーボーイズが歌ってたからさ

094:目の前に横たわる体弄りつその底辺×高さてふ概念

095:青と黒とは同異のkunne 月見上げ友のあたまをクシャリとす

096:複雑な信号機立つ交差点では踊りだす村の儀式で

097:ぉむつ換ぇる時間ですょぉとイラつく声で語りかけられる悦楽

098:夕時雨二の腕を掴んで歩く言問橋の無言が長き

099:イコール他者との関係性*過剰な自意識/31
  イコール

100:約3100文字の旅を終えよう。いちご大福を買いに行こう
posted by たザわよしなお at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月28日

題詠blog完走(たざわよしなお)

今しがた、100首を終えました。
今年は、出たお題がむつかしかった! 普通に詠めば凡庸には扱える言葉なのに、
何か捻ろうかと思うとなかなか思うように揺らがない。それは、言葉のせいなのか
年々コンサバ化してゆく自分の脳みそのせいなのか、と悩みつつ、今年も参加
させていただきました。企画の五十嵐さま、他出走者の皆さん、今年も
ありがとうございました!
posted by たザわよしなお at 16:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

100:福(たざわよしなお)

約3100文字の旅を終えよう。いちご大福を買いに行こう
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099:イコール(たざわよしなお)

イコール他者との関係性*過剰な自意識/31
イコール
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2010年11月27日

098:腕(たざわよしなお)

夕時雨二の腕を掴んで歩く言問橋の無言が長き
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097:換(たざわよしなお)

ぉむつ換ぇる時間ですよぉとィラつく声で語りかけられる悦楽
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096:交差(たざわよしなお)

複雑な信号機立つ交差点では踊りだす村の儀式で
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095:黒(たざわよしなお)

青と黒とは同異のkunne 月見上げ友のあたまをクシャリとす
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094:底(たざわよしなお)

目の前に横たわる体弄りつその底辺×高さてふ概念
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2010年11月24日

093:全部(たざわよしなお)

ぜんぶ全部理解してあげる衝動バービーボーイズが歌ってたからさ
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092:烈

気をつけて!毛布に潜り込んでくる!ヤツは強烈な口臭だから
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091:旅(たざわよしなお)

白クマのマークの旅客機にします。オニオンスープがお薦めなので
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090:恐怖(たざわよしなお)

掌の大きさがひたすらに母喪失の恐怖に啼いてゐる
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089:泡(たざわよしなお)

口端の泡だしたり消したりす五歳児のあそび未だわかるのよ
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088:マニキュア(たざわよしなお)

新宿区内全ホームレスにマニキュアをす制度の施行
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087:麗(たざわよしなお)

麗らかや後輩の辞職願いの出た日にもまだ独白の日記が続く
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086:水たまり(たざわよしなお)

猫は猫のグラン・パドゥシャで飛び越える水たまりとはその為のもの
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2010年11月22日

085:訛(たざわよしなお)

手話クセのごと個々人に孕まん訛りてふことばの揺らぎとは
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084:千(たざわよしなお)

ほうずき熟す自責など四万六千日あれど足りない其が生きること
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083:孤独(たざわよしなお)

ふたりではないけれどひとりでもなし孤独の定義を二万字で述べよ
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082:弾(たざわよしなお)

昼休みでした。兆弾の如ドッジボール当たりましてさようなら。
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081:シェフ(たざわよしなお)

下町の小さな店を営めばマネージャーとオーナーシェフの冬
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080:夜(たざわよしなお)

自転車を漕いで煮凝りのような粘度の早春の夜がはじまり
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079:第(たざわよしなお)

繰り返すこと第36回運動会に知的障害の人達と僕ら
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078:指紋(たざわよしなお)

半解けの指紋がついたシロクマをゆっくり舐めているお前くま。
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077:対(たざわよしなお)

一対の音楽アルコールとふたりアルコールとひとりアルコールと一人
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076:スーパー(たざわよしなお)

製菓担当スーパーマンは赤いエプロン52才元ラガーマン
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2010年11月20日

075:微(たざわよしなお)

季節の機微がわからんとか言う気象予報士は首吊りの刑です
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074:あとがき(たざわよしなお)

幾音か足りない言葉に歯噛みをすあとがきに託したく親指舐める
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073:弁(たざわよしなお)

弁護士を彼氏にしたいオレの罪全て庇ってくれるキスが欲し
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072:コップ(たざわよしなお)

オレを踏みつけてくれハイウェイコップのブーツ兄貴よ逆でも可だぜ
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071:褪(たざわよしなお)

壮年の雄らしき褪色の道路交通誘導員の人形
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070:白衣(たざわよしなお)再投稿

白衣女医プレイみたいなプレイみたいな男の喘ぐ声みたい
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069:島(たざわよしなお)

桜葉も赤くなる冬北風のメルチョール島は鳥の楽園
posted by たザわよしなお at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 短歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

068:怒(たざわよしなお)

二年前の今頃新潟は嵐でしたね「喜怒哀楽書房」さんLOVE
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067:匿名(たざわよしなお)

路上弾き語りライブ門谷純のファンです匿名ですがなにか?
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066:雛(たざわよしなお)

反抗期の雛鳥の鳴声この熟女ブスと鳥語を訳す
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