2014年04月05日

「白い杖」

清瀬市にあるハンセン病資料館。
近隣住民や保育施設や精神科病院関係者は馴染みでありつつ、ガイドブックには載らない、古木の並木と菜の花が素晴らしい花見スポットでありつつ、
 館内図書館の詩歌のコーナーのラインナップも実は、感涙ものでもあります。

明石海人氏などはもとより、盲人句会活動の痕跡を辿りつつ、書架に入り浸りましたりたる爛春。

「白い杖」  島洋介氏 俳句・川柳集


・白い杖握って摂理とは何か

・咲き匂うばらを見ている黒眼鏡

・その時のその日に祈り眉を植え

・眉植えてから考える日が続き

・いうなれば蒸発という島の貌

・笑っていなければバランスが崩れそう

  
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2014年04月01日

春詠 28 クロックムッシュ〜クロックス

クロックムッシュ鍋に焦げ癖夕霞 ザ
電話帳にもやし屋載りぬ春の昼 ザ
鳥雲に仕掛け時計が鳴り始む
ハロッズの熊の手提げや花疲れ
花街の卒塔婆小町や花篝

春暮れる下巻だけしか無い本屋
幼稚園バスにさよなら雪やなぎ 
夏近しオリビアニュートンジョンの皺
犬桜タイラーメンの店混みぬ 
唇にピアスのありぬ佐保の姫

制服の膝裏のしわ夏隣
文鳥が欲しき子のゐて暮遅し
満天星の花と定休日のパン屋
春眠し乗降のなき停車駅

亀鳴くや釣銭足らぬ販売機
春雨やライターの点かぬ一日
外は雨らし蜆汁混ぜる音

凍ゆるむ出口ばかりの改札機
工員は爪白濁る実朝忌
知らぬ間に建つ家今日の梅蕾
芽キャベツの結球ひそそ呟ける

恋人の寝ごと建国記念の日
春暁の金管楽器吹きの身体

梅一枝ポン菓子の孕む緊張
柳萌ゆ此処までは一緒に歩く

青麥繁るダルビッシュ有の髭 
暮遅き歯医者の匂いする子をり
クロックス煮〆たる色夏隣
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