2015年04月25日

春詠30  うつくしい譚/ひこばゆる



春眠の軟らかいジグソーパズル

うつくしい譚とりとめ無い二月

猫柳帰るタイミングを逃す

路地に春五十嵐さんのいた肉屋

冴返る夜リオデジャネイロは雨

かざぐるまわざとゆつくり歩きをり

二月新月妊娠でいう安定期

繰かへすだからとしかし沈丁花

何時ものやうに謝肉祭終はり朝

春一番空気漏れゆく宇宙服

雪柳貰い火をする喫煙所

仕掛け絵本オレンジ剥けるページかな

三月の地下鉄に流れない水

コピー機のひかりの色と草の餅

雛あられむさぼる髭の濃い薄い

うららかや此のまま由比ヶ浜へ下る

彼岸会や不在のものに形無し

別れ霜まだこめかみに疼くもの

春昼や書店のレジの列鈍し

風光りをり双子用ベビーカー

不揃いな歩調の犬を曳く朧

幸不幸二択なら幸はるうれい

暮れかぬるなにかを埋めている工事

街路樹のあった記憶やひこばゆる

啄木忌通過電車のあとの鳩

延焼に似たはくれんの樹の開花

靴ひものほどけてゐる子梅若忌

夕櫻帰れなくなる遊園地

フリルとはびらんなるもの豆の花

八百万木々の芽に宿る音楽

posted by たザわよしなお at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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